Guppy LIVE !  2000/6/18

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Blues File No.1 観戦記

バンドの練習後、テラチと一緒にフクチャンに車で送ってもらい、グッピーへ向かう。
チャージが\2,700と高い。さすが有名人だ。貧乏なテラチにおごる。yamamoto_yohichi
ビールを頼んで一番後ろのブースに陣取る。よく見えないけど落ち着いていられる。
客はやや入りといったところか。ちょっと寂しい。
ブーさん、イチロウさんの姿が見える。
マスターに妹尾さんを紹介してもらい、写真撮影の許可を得る。
「あらかじめそう言ってくれればええよ。のぅ、みんな!」
「黙って撮るからいかんのや。」と快諾を得る。妹尾さん、よくしゃべる。

オープニング・アクトに山本"Salty"ひろしが2曲演る。
ラグタイム風の生ギターの弾き語りだ。
達者なギターにのって、楽しい歌を聞かせてくれる。
たった2曲じゃちょっともったいないなぁ。もう少し見たかった。
 

さて、いよいよ真打ち登場だ。
最近発売されたCD「Blues File No.1」(AIRPLANE AP-1008)から、
1曲目に収録された「月のない夜」でスタート。
CDではアコースティック・ギターだが、今夜はエレキで、
内海さんが唄う、御機嫌なロッキン・ナンバーだ。
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その後はCDに入っている曲と、そうでない曲をメンバーが交互に唄う。
妹尾さんはブルース・ナンバーを英語で唄い、
西浜さんはバラッド系の曲、内海さんはロックンロールと
だいたい持ち歌の傾向がはっきりしている。
全曲で妹尾さんのハープが大活躍!本当に上手い。
細かいニュアンス、音質のコントロール、切れ味ともに、さすが日本の第1人者だ。
ヴォーカルの方は少しせっかちでなげやりに唄う感じ。
英語の歌詞が時々日本語になったり、
「ペチャクチャペチャクチャ」とか、結構ご愛敬だ。
関西弁でまくし立てるトークは、シャベクリと言った方がいいかな。
僕は勝手に「ブルース界の明石家サンマ」と命名してしまった。
でも、CDにも収録されている「イット・エイント・ミー」、
ジミー・ロジャーズのシカゴ・ロッキン・シャッフルを、
リトル・ウォルターばりのアンプリファイド・ハープで引っ張る。
思わず手拍子。素晴らしい乗りだ。西本さんのドラミングがかっこいい。
久々にモノホンのシャッフルを聴いたって感じだ。テラチも感激していた。
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西浜さんは、渋くしゃがれた声で、バラードを中心に唄う。
トム・ウェイツのような雰囲気だ。
新曲の「ヘイ・ブルースマン」、いい歌だった。
歌詞も味があり、大人の世界に浸らせてくれる。
「オールライト・オーケー」ではジャジーに決める。
素晴らしい声の持ち主だと思った。

内海さんは「マネー」などのロックン・ロール・ナンバーを、
枯れた味わいを感じさせる歌い方で聴かせてくれる。
なぜかほっとする雰囲気だ。長年にわたってやってきただけある。
この他アナウンスでは全員が歌ったそうだが、酔っていたのと、
奥まった席にいたので、全部は確認できなかった。
内海さんのオリジナル「シャイニング・ロード」で前半はしっとりと幕を閉じた。
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メンバー
gtr,vo;内海 利勝(元キャロル)

gtr,vo;西浜 哲男(元トランザム)

hrp,vo;妹尾隆一郎(ウィーピング・ハープ・妹尾)

e_bass;谷口ヒデユキ(m.c.の聴き取りによる)

drums;西本 孝

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後半は妹尾さんのシャベクリでスタート。「腎臓のシチュウ」というわけで、
僕の大好きなエディ・ヴィンスンの「キドゥニー・シチュー」だ。
あのブラス・セクションのイントロを見事にハープで再現する。
妹尾さんは座って演奏する。手元に斜めにしたフェンダーのアンプ。
これに砲弾マイクを繋いでいる(ケーブルを束ねているのが豪快)。
ハープはマリンバンドだった。ヴォリュームのコントロールが完璧なので、
ハウリングは全くなし。モニタも完璧にとれているようだ。
終盤にやったジミー・リード・ナンバー「ゴーイン・トゥ・ニューヨーク」では、
「ネエチャン、シカゴに行こう!何でも買うてやる。」を連発。
でも、「金がないから歩いて行こう」金ないのに何買えるんだろ?
いいなぁ、こういう歌詞。

内海さんは「俺は元キャロルだから」と言いながら、「ルイジアンナ」を唄う。
ルーズでダルな演奏で、とってもブルージー。
こういうアレンジ、大好きだ。
この辺になると僕は良い音楽とビールでデロデロ、
どんな曲やったか半分忘れてしまった。とにかく心地よい。
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西浜さんは渋いバラードを連発する。
「フォーエヴァー」、CDに収録されているけど、味わいのあるいい歌だ。
それをあの渋い声で唄われちゃうと、どんどん飲めてしまう。
3者3様の歌が、見事に組み合わされ、ヴァラエティ豊かなステージになっている。
そしてお互いのバックに回ったときの、的確なサポート。
メインのヴォーカルを前面に押し出すバッキングは、さすが百戦錬磨の強者揃いだ。
久々に「これぞプロ」という演奏を聴くことが出来た。
そしてアンコール。西浜さんが唄う「トライ・ア・リトル・テンダネス」。
スタンダード本来の、ジャジーでムーディなヴォーカル。
しっとりと、ゆったりと、その日の疲れを洗い流すような演奏と歌。
最後までたっぷり楽しむことの出来たライヴだった。見に来て正解!


演奏後、メンバーの方にチケットにサインをもらう。
サイン入りCDも販売していたので、財布の中身を考えずに買う。
こちらはアコースティックで、味わい深い。
荒巻茂生のウッドベースが演奏を締めている。
7月には流通に乗り、大きなCDショップには並ぶとのこと。
興味が出たら買っていただきたい。
さて、CDにサインしていただいている間に、妹尾さん、西浜さんと色々話ができた。
特に妹尾さんには、昔の話から、アンプのセッティング、
そしてついにハープを取り出しての即席クリニックまで受けることが出来た。
タング・ブロックのコツとか、高音吹音ベンドとか。
酔ってなかったら実になったのに、ちょっと惜しいことをしたかな。
そして目の前で「ワマー・ジャマー」やジェームズ・コットン終わりを実演していただいた。
ウーン、得した感じ!


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