クリス・アルドワン

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Chris Ardoin


Bois Sec Ardoin 「はまる」というのは、まさにこういうのを言うのだろう。ザディコは結構好きで、クリフトン・シェニエやバックウィート・ザディコ、それに何枚かのコンピで有名どころは一通り聴いた気になっていたのだが、2002年の夏に薦められて聴いたクリス・アルドワンの「Life」には本当に衝撃を受けた。20才そこそこの若者が、伝統をなぞるのでなく、ザディコという音楽フォームをベースに、ここまで現代的な音楽を生み出していたこと、そして彼の地にはこうした新しい音楽が息づいていることを、たった1枚のCDによって僕は知ることになったのだ。以来クリスの入手可能な5枚のCDの他、「新世代ザディコ」と呼ばれるものはとにかく手当たり次第聴き漁ることになっLawrence Ardoin た。そんなクリスが2003年夏に来日する。日頃から「生で見たい」と騒いでいた僕としては、そんな彼を熱烈歓迎するためにも、彼のアルバムレビューコーナーを作ろうと思い立った。
 クリス・アルドワンは1981年生まれで、祖父にクレオール・ミュージックのアコーディオン奏者であるボア・セック・アルドワンを持ち、父であるミュージシャン、ローレンス・"ブラック"・アルドワンに音楽の手ほどきを受けている。こうした恵まれた環境の下、4才で父とともにステージに上がり、1990年にはファミリー・バンドの一員としてラブボードをかかえてカーネギーホールに出演するなど、早くからシーンの中で鍛えられていった。
 クリスは10才年上のショーンとともにティーンエイジャーになった頃から本格的なバンド活動Moris & Dexter Ardoin を始めたようで、その頃からR&Bやゴスペルを下敷きにして、その上にザディコを乗せる彼ら独特の方法論を確立していたようだ。この兄弟の共同作業がダブル・クラッチンというバンドとなって結実、実際1994年のデビューアルバムはショーンのアルバムにクリスが参加しているような内容とも言える。しかしクリスは成長とともにその歌とアコーディオン、そしてトータルな音楽性に磨きをかけ、現在はショーンはザディクールという別のバンドを率いており、ダブル・クラッチンは文字通りクリスのバンドとなっている。

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Chris Ardoin  写真はすべてテキサスはサン・アントニオ在住の谷口敦子さん撮影のものです。

 写真の人物は上から、クリス・アルドワン、ボワ・セック・アルドワン、ローレンス・アルドワン、モーリス(クリスの叔父)とデクスター(その息子)・アルドワン、3ローを持つクリス。
 クリスのバイオグラフィについては、テキサスはサン・アントニオ在住の谷口敦子さんに、現在詳しいものをお願いしています。乞うご期待!
参考文献は、各CDのライナーノート
        Michael Tisserand 「The Kingdom Of Zydeco」ARCADE PUB. 1998
        谷口敦子「現在進行形の面白さ! 新生ザディコの若い担い手たち」(Blues And Soul Records No.52, 2003)
        apple Jamのクリス・アルドワン紹介ページ
        ブルース銀座のクリス・アルドワン&ダブル・クラッチン来日紹介ページ



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