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The VEE-JAY Pop Gospel Collection ; P-VINE PCD-4327 (2006. 5.14)

鈴木啓志さんのコンパイルした1960年代初期の音源を中心にした名曲集。まずキャラヴァンズから始まりますが、サウンドのポップさと歌の上手さが見事に噛み合った「ウォーク・アラウンド・ヘヴン・オール・デイ」にまず聴き入ってしまいます。同じグループの「ソウル・サルヴェイション」はパンチの聴いた歌にノックアウト!重厚だけどどこかポップさの漂うハイウェイ・QCズ、ジャニス・ジョプリンのような声で気持ち良くシャウトするマリオン・ウィリアムズ、ジャズコーラスのような雰囲気もあるハーモナイジング・フォー、オルガンの音も心地良いチャールズ・テイラーの「ジーザス・イズ・ザ・ライト」を聴いてると、レイ・チャールズの手法の「正しさ」を感じますね。面白いのがデサイプルズ。完全にジャズのバックで歌ってますが、なんだかフィフス・ディメンションに通じていきそう。またアレックス・ブラッドフォードがイギリスに行ってクリス・バーバーと録音したものなどもあり、まさに「ポップなゴスペル」というタイトルがふさわしいアルバムです。



Wade In The Water ; KUFALA KUF0128 (2006.12. 1)

ビル・サマーズ、ドナルド・ハリソン・ジュニア、ボー・ドリスの3人のメインアクトを据えた、2005年10月パサディナでのライヴです。タイトルからも分かるようにカトリーナ復興プロジェクトの一環です。まずビル・サマーズと言えばロス・オンブレス・カリエンテスですが、元々はハービー・ハンコックのバンドで活動していて、「Headhunters」にも参加してた人。で、ここではそのアルバムからの代表曲「ウォーターメロン・マン」に「カメレオン」を含む、ジャズ・ファンクな選曲で、特に前者のグルーヴィーな演奏にはグッと来ました。「チュニジアの夜」もスタンダードな曲調にひねりが効いていて面白かったです。また、多分このアルバムのホストだったんじゃないかなと思うのが続くドナルド・ハリソン・ジュニアで、「ミスティ」のようなスタンダードナンバーから、ミーターズの「シシー・ストラット」まで、その幅の広さが全開です。2枚目にはワイルド・マグノリアスのビッグ・チーフ、ボー・ドリスが登場。「ジャコモ」「パーティ」「バイ・バイ・ベイビー」とマグノリアスでやっている曲を、いつものしゃがれ声を振り絞って、まさに客席を煽るようにやっています。ニューオーリンズの人たちを元気づけ、奮い立たせるような演奏で、全編一気に聴き通せます。これは強烈だぁ!なおこのレーベル、「公認の海賊盤」を高らかに宣言してます。大手が牛耳る今のアメリカレコード業界に風穴を開けようという意気込みを感じて、応援したくなっちゃいますね。



We Shall Not Be Moved ; WESHALLNOTBEMOVED no number (2009. 1. 2)

2008年リリース。ニューオーリンズを決して離れないと決意したミュージシャンたちが作ったヴィデオの音源です。タイトル曲はちょうど「ウィー・アー・ザー・ワイルド」のような形でみんなで歌い継いでいて、テイクも3テイクあります。実はこういうのはあんまり好きじゃないんですが、思いは伝わりますね。ピンでやっているのでは、ジョン・ブッテのファンキーな「トレメ・ソング」、トプシー・チャップマン&ソリッド・ハーモニーの美しい「スウィング・ロウ・スウィート・チャリオット」、チャック・パーキンスのブラスバンドな「リトル・ライザ・ジェイン」、リロイ・ジョーンズのもの悲しいペットの響きが心に染みる「ルイズ・ラメント」などが良かったです。クラシカルなメアリー&ジョー・エイキンの「アヴェ・マリア」などもあり、彼の地の音楽の幅の広さも感じることが出来ました。




Welcome To The Club ; ACE CDCHD 1009 (2008. 4. 3)

1960〜64年にかけての、ウィリー・ライト、リー・ショット・ウィリアムズ、シル・ジョンソンを中心にしたFEDERAL録音集です。まずは冒頭の「ホンキー・トンク」を引用したライトの「ジブル・ゴブル」が格好いいです。続くリー・ショットのタイトル曲は、ボビー・ブランドに通じるR&Bナンバー。シル・ジョンソンはあのハイトーンのヴォーカルを満喫することができます。チャック・ベリーやファッツ・ドミノからの影響を感じるエディ・クリアウォーターはいつも通りの下世話さが楽しいし、ジェシー・アンダーソンのゴスペル仕込みのヴォーカルもなかなかタフです。全体にリズムに張りがあり、若さ溢れるサウンドになっています。



WESTBOUND Funk ; BGP CDBGPD 155 (2005. 7. 3)

1969〜76年録音。WESTBOUNDと言えばファンカデリックとかオハイオ・プレイヤーズとかのいたデトロイトのレーベルですが、まず1曲目がそのファンカデリックの「アイル・ベット・ユー」。でもこれって「パパ・ワズ・ア・ローリング・ストーン」みたいな感じですね。この他初期のオハイオ・プレイヤーズも入ってますし、もう1曲のファンカデリック「ユー・キャント・メス・ワット・ユー・キャント・メージャー」なんて、サウンド的にはパーラメンツ風に聞こえました。でもアルヴィン・キャッシュの「ストーン・シング」のガレージっぽい音とか面白いなぁ。これが1975年くらいになると妙にこなれてくるのが時代の反映なんでしょうね。



West Coast Down Home Blues ; ACROBAT ACRCD 133(2003.10.31)

1945〜53年録音。最近廉価で渋いリイシューをしていて注目のACROBATですが、これまた渋いところを出してきました。いきなりサニーボーイ・ジョンスンですからねぇ。「プリーズ・ドント・ゴー」の改作「カム・アンド・ゴー・ウィズ・ミー」に続くマック・ウィリス名義の「ハウリング・ウーマン」あたりがもろにイメージ通りの西海岸のダウンホームサウンドって感じで、もうたまりません。ブラック・ダイアモンド、ビッグ・サン・ティルズあたりになるとフルソンの初期との共通点なども感じますね。あとは「ブラック・ギャルズ」の影響の強い曲が多いなと思って聴いていたら、そのジョー・プラムの「プリティ・ウーマン」も入ってました。これってELKOだったかな?とにかく渋くていなたくて、どこかゆったりしたブルースがたっぷりです。



West Coast Guitar Killers Vol.1 ; EL SEGUNDO ESR 01002 (2001.11. 6)

1951〜65年録音のウエストコースト・ブルース集です。まず冒頭のフロイド・ディクソン「レッツ・ゴー・スミッティ」で聴くことができるジョニー・ギター・ワトソンが凄い!この他ギター・ショーティのPULL録音が5曲聴けるのも嬉しいですし、ラファエット・トーマスの単独盤とか、なかなか好内容です。テッド・テイラーがアイヴォリー・ラッキー名義で「アイム・リーヴィング・ユー」をやっていたり、トロィス・キーなる人がエディ・コーチャンをフィーチュアして、思いっ切りR&Bした「ベィビー・プリーズ・ドント・ゴー」や、まるで横浜銀蠅のようなロックンロール「ワッチ・ユア・マウス」をかましたりと、ブートっぽいのが気になりますが面白いコンピでした。ただし録音データとかはほとんど明記されていません。



West Coast Guitar Killers Vol.2 ; EL SEGUNDO ESR 01003 (2002. 2.13)

詳しいデータはありませんが、おそらく60年代の録音が主でしょう。タイトル通りの内容で、メインはジョニー・ギター・ワトソンとラファエット・トーマスかな?マイナーレーベル中心の選曲(シングル盤から録音でしょう)で、まあとにかく全編アグレッシヴなギタープレイが満喫できます。ピー・ウィー・クレイトン、ジミー・リギンズといったビッグネームに混じってのカル・グリーンのFEDERAL録音がグレート!第1集とあわせてギターファンには是非聴いてもらいたいですね。



When Girls Do It ; BROAD SIDE STERN 1 (2009. 6.10)

1954〜68年のマイナーレーベルに吹き込まれたブルース集です。まず冒頭のボビー・ギター・部ネットのタイトル曲が強烈で、最後のギターソロなんて悶絶ものです。ジュニア・ウェルズ、バディ・ガイ、マジック・サムなど有名どころも多いんですが、ハーモニカ・ファッツなんて滅多に聴くことの出来ないヴィンテージものとか、スライドがえぐいサム・ベイカーの「スウィート・リトル・エンジェル」、ルイジアナらしい勢いと粘り気のあるドリフティン・チャールズやドニー・ジェイコブズ、多分初めて聴くジョージアのダニー・ボーイ、ギターが思いっ切りえぐいデトロイトのミスター・ボなど、面白い曲も沢山入ってます。初期のエディ・クリアウォーターはクリア・ウォーターズ名義、さらにガツンと来るテンダー・スリムにシュガー・ボーイ・ウィリアムズなど、聴き所も多いコンピでした。




When The Sun Goes Down Vol.1 - Walk Right In : BMG BVCM-37375 (2002.11.14)

1927〜1941年録音。副題に「ロックンロールの知られざる歴史」とあるこのシリーズは、戦前もののブルースを中心にした黒人音楽のコンピなんですが、ストレートなカヴァー元を並べたというよりは、その多様で豊潤な音楽の見取り図を提供してくれる物と言えそうです。とりあえず4集出ているうちの第1集から聴いてみました。ビッグ・ジョー・ウィリアムズの「ベィビー・プリース・ドント・ゴー」は、サニーボーイとの共演盤ではなく、よりプリミティヴなフィドル入りのもので、泥臭さがたまりません。嬉しかったのはレッドベリーの「ミッドナイト・スペシャル」。ひとりで歌った多分国会図書館向けのものとは異なり、ゴールデン・ゲイト・カルテットのコーラス付きのヴァージョンで、初めて聴きましたが、まさにC.C.R.の原型ですね。この他カーター・ファミリーの「ウォリード・ブルース」、ハーモニカ盤「カウ・カウ・ブルース」とも言うべきデフォード・ベイリーの「ディヴィッドソン・カウンティ・ブルース」、J.M.ゲイト師の盛り上がる説教「サムバディズ・ビーン・スティーリン」(これがガス・キャノンの「スティーリン」とはまったく別の曲だということも判明)、ポール・ロビンソンの、後のフォークコーラスに取り上げられるゴスペル「時には母のない子のように」など、非常に視野の広い選曲です。こういうコンピは聴いていて面白いし引き込まれます。



When The Sun Goes Down Vol.2 - The First Time I Met The Blues : BMG BVCM-37376 (2002.11.18)

1927〜1936年録音。第2弾です。こちらは選曲がややこじんまりしている印象です。でもその分副題の「ロックンロール裏面史」に近いかな?イシュマン・ブレイシーはやっぱりトミー・ジョンソンに近いってのがよく分かりますし、後に憂歌団のライヴ定番になった「スティーリン」の元歌とか、ブラインド・ウィリー・マクテルの「ステイツボロ・ブルース」等、直にロックやその周辺に影響を与えた歌が収録されてます。また当時のヒット曲も、フランク・ストークスの「テイント・ノーバディズ・ビジネス・イフ・アイ・ドゥ」などあります。ちなみにこの曲、同タイトルのべッシー・スミスやジミー・ウィザースプーンのものと聴き比べるのもまた一興味です。ちなみにタイトル曲はのんびりしたブルースなんですが、後にバディ・ガイが感情移入の塊みたいにするのが面白いですね。ちなみにこちらで歌っているオリジネイターのリトル・ブラザー・モンゴメリ、バディの録音の時にもピアノ弾いてましたっけ。



When The Sun Goes Down Vol.3 - That's Chicago's South Side : BMG BVCM-37377 (2002.11.22)

1931〜1942年録音。第3弾です。1曲目のタイトル曲は、ジャズフィーリングを感じる楽しげなダンスナンバーですが、あとはタイトル通りシカゴに繋がりの深い曲を中心に名曲がずらりと並んでいます。始めて聴くのがパイン・トップの「エヴリディ・アイ・ハヴ・ザ・ブルース」。2番以降はかなり歌詞が異なりますが、この1番はあの有名曲のまんまです。現在このタイトルで知られる曲はメンフィス・スリムの「ノーバディ・ラヴズ・ミー」がオリジナルとされていますが、このパイン・トップのヴァースを下敷きにしたことは間違いなしですね。この他原作者が歌う「トラブル・イン・マインド」「ゴーイング・ダウン・スロウ」など、後に数知れずカヴァーされた曲を聴くことが出来ます。トミー・マクレナンの名演「ボトル・イット・アップ・&・ゴー」は何度聴いてもいいですね。この中で異色なのはジョー・プラムの「ブラック・ギャル」。この曲はテキサス録音で、何とものどかでやや哀愁を感じる名曲ですが、シカゴとはどういう縁なんでしょうか?



When The Sun Goes Down Vol.4 - That's All Right : BMG BVCM-37378 (2002.11.23)

1939〜1955年録音。これで最後の第4弾です。いきなりドクター・クレイトンの「パール・ハーバー・ブルース」から始まるのにはある意味参りますが、サウンド的にはどんどん電化、ビート強調が進んで来ます。タイトル曲はアーサー・クルーダップの代表曲で、プレスリーが初期にカヴァーしていますが、同じクルーダップの「マイ・ベィビー・レフト・ミー」を聴くと、SUNのロカビリアン達が夢中になるのが分かります。もちろんこの時期にはロックンロール・ビートはブラックミュージックのサイドでは流行になりつつあるんですが。楽しいのはドクター・フィールグッドことピアノ・レッドの「ライト・ストリング・バット・ザ・ロング・ヨーヨー」、タイトルからして猥雑さ溢れますが、スペックルト・レッド(お兄さんだっけ?)の「ダーティ・ダズン」などに通じる軽快なノリは、戦後になっても脈々と受け継がれているのが分かります。さて、このシリーズは副題に「知られざるロックンロールの歴史」とあり、この「ロックンロール」を文字通り捉えると、先に上げたクルーダップやラストナンバーのリトル・リチャードの初録音などが直接あたりますが、もっと広く「ロック」全般の意味で考えると、カヴァ元も多く、全編聴き終わると一見無秩序に見えながら、RCA系の音源から戦前から戦後に脈々と続くブルースの流れを実にうまく鳥瞰しているなと思いました。ジャンプ系に弱いのはレーベルの限界でしょうが。ついついブラウニー・マギーの「ブルース・ハッド・ア・ベィビー」が頭をよぎります。



Windy City Blues ; STAX SCD-8612-2 (2004. 8.23)

1959〜1970年にかけての録音集で、オーティス・スパン、ウィリー・ディクソン、ビリーボーイ・アーノルド、サニーランド・スリムはPRESTIGE等で既出のものです。またホームシック・ジェイムズの3曲も、PRESTIGEでの作品の別テイク。その中でアルバート・キングの4曲は1970年STAXでの活動期に、何とシカゴでマット・マーフィー、マイティ・ジョー・ヤング、ラファィエット・リークらのシカゴで活動していたメンバーをバックに録られたものです。これが聴きたくて買ったんですが、当時のSTAXのファンクネス溢れるしっかり構成されたサウンドとは異なり、シカゴらしい音の塊に支えられ、アルバートの熱い歌とギターが炸裂しています。よりワイルドで、むしろクラブではこういう音を出していたんではと想像できます。買って損なしの4曲でした。



Working On New Orleans ; ACE/P-VINE PCD-2472/3 (2000. 6.11)

「納得!ドクター・ジョンの仕事」と邦題の付いた、1955年〜60年代初頭の2枚組録音集。ドクター・ジョンことマック・ルベナックがニューオーリンズでプロデュース・アレンジ・演奏をした作品集となっていますが、すべてにかかわっているわけではないようです。1枚目は白人のかなり軽めなニューオーリンズ・ポップ集といった趣ですが、中にはエディ・ボー、ジョー・テックスなどの作品もあり、又、マック自身のデビュー曲も収録されてます。この時代のマックはギターを演奏しています。2枚目にいくと1曲目が聴きものです。この軽快なビッグ・ボーイ・マイルスの「ニューオーリンズ」は小ヒットし、これをゲイリー・US・ボンズが再録音して大ヒットしたわけです。この他シュガーボーイ・クロフォードの「アイコ・アイコ」の再録や、リー・ドーシーのデビュー曲もあります。後半にいくにしたがって、ジェームズ・ブッカーのピアノ、リー・アレン&レッド・タイラーのサックス・コンビなどの加わった曲もあり、アラン・トゥーサン的な跳ね方をするようになります。ドクター・ジョンの自伝「フードゥー・ムーンの下で」を読みながら聴くと、イメージがふくらんでいいです。


The World Rarest Funk 45s ; JAZZMAN JMANCD 017 (2007. 8.13)

1968〜1975年録音の、タイトル通りとてもレアなファンク集です。なにしろ知ってるアーティストはリル・バック・シネガルだけでした。そのリル・バックもラフィエ録音とは思えない、ブラスセクションがブリブリの大ファンク。他の曲もなかなか強烈で暑苦しい音が満載です。B3のうねりとかちょっと歪んだベースとかがたっぷり。でも随所にミーターズからの影響を感じるのは時代だからでしょうね。改めて影響力の大きさを感じました。



Yet Mo' Funky Blues, New Standards ; P-VINE PCD-3890 (2001. 5.10)

ことしリリースされたコンピでシリーズ4作目。ここまで来るとネタもだいぶ尽きてきた感じですが、JEWEL系の音源を使って工夫を凝らした選曲となっています。チャールズ・ブラウンあたりは「これもファンキーの仲間に入れちゃうの?」という感じもありますが、ジョン・リー・フッカーの「ロール&タンブル」なんて出来の好き嫌いはともかくもろファキーです。嬉しかったのはレイフル・ニールの「レッツ・ワーク・トゥゲザー」。昔LP出来いたことはあったんですが、いよいよCDになりました。ちょっと散漫で、超有名曲はないけど、それなりに聴き所のある1枚でした。



Zydeco Blues 'N' Boogie ; LANOR/GUMBO CD001 (2001.11.17)

LANORというレーベルに残されたルイジアナ音楽のコンピ。中古で購入。録音時期は分かりませんが、60年代後半〜70年代初頭じゃないかと思います。分かる人がいたら教えてください。僕の全く知らないミュージシャンばかりで、かなりローカルな感じのザディコが中心ですが、ブルースやサザン・ソウルも混じっています。ジャケットのダンスシーンの写真に象徴されるように、全体に結構ノリがよく、この手の音楽って本当に一部しか日本の音楽シーンの表舞台には出てこないんだなって実感しました。



1950's Okland Blues - IRMA Records ; WOLF 120.613 CD (2003. 3. 5)

1954〜おそらく1960年位のボブ・ゲディンズによる録音を集めたものです。ジューク・ボーイ・ボナーの2曲とジョニー・フラーの4曲のうちの2曲は、ARHOOLIEの名コンピ「OAKLAND BLUES」に収録されていましたが、テキサス直系のダウンホームな前者、プレスリーからの影響を感じる後者とコントラストの差がありながら、いずれも印象に残ります。「ティン・パン・アレー」で有名なジミー・ウィルソンは「オー・レッド」を結構シンプルに決めてます。ビッグ・ママ・ソーントンの「ビッグ・ママズ・カミング」は大迫力!でもこの盤の目玉は何といってもジミー・マクラックリンの8曲でしょう。元気に跳ねるアタックの強いピアノと、フルソンに通じる深みのあるヴォーカルはいつ聴いても素晴らしいです。「サヴォイ・ジャンプ」はもろ「チッキン・シャック・ブギ」スタイルで御機嫌!とにかくマクラックリンだけで買いの1枚です。



30 #1 Hits Of The '30s ; COLLECTOR CHOICE CCM5052 (2007. 7.21)

タイトル通り1930年代のヒット曲を集めた2枚組です。スヌークス・イーグリンが取り上げている「ユア・ア・スウィートハート」が入っているので購入しました。映画音楽やミュージカル仕立てのスタンダード・ナンバーの中に、エゼル・ウォーターズの「ストーミー・ウェザー」とかデューク・エリントンやベニー・グッドマンのジャズナンバーが入ってきます。全体にゆったりした歌ものが流行していた様子がよく分かります。で、2枚のCDのそれぞれラストを飾っているのが、キャブ・キャロウェイの「ミニー・ザ・ムーチャー」と、サッチモの「オール・オヴ・ミー」というのがなんだか嬉しいのは僕だけかしら。



4th & Beale And Further South - The Ace Blues Masters ; WESTSIDE WESM 554 (2000. 9.15)

1952〜57年録音。全くイギリスのコレクターズ・レーベルはとんでもないものを見つけるもんです。ジョー・ヒル・ルイスがACEに音源を残していたとは!音はSUNスタジオ録音に通じるラフでワイルドなものですが、ちょっと味わいが違うように思えました。メンフィスならではのアグレッシヴな演奏が楽しめます。他はすでに何度もリイシューされたアーサー・クルーダップやフランキー・リー・シムズ、マーシー・ベイビーなどですが、いずれも味があり好きです。特にシムズはそのままSPECIALTYにつながる音です。



ハーモニカ侍 ; P-VINE PCD-23965 (2007.10.15)

これは好企画です。日本のブルースハープを中心にしたハーモニカ吹きのコンピレーションなんて、おそらく初めてでしょう。ブルース一色でなく、松田幸一、ヒロ中村といった、ブルースからちょっと離れた人を冒頭に並べるあたり、編集の妙を感じさせます。ラストも八木のぶおを持ってきて、その後にボーナスで選者のひとりKOTEZ氏のスペシャル・プレイを持ってくるのもなかなか。真ん中に固めてある日本ブルース・シーンの代表的プレイヤーたちについては、ちょっと選曲にひねりが欲しかった気もしますが、その見事な腕前のオンパレードにはやられました。



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