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YAN楽団 ; 横浜の海と空 ; YAN楽団 YAN-0210 (2002.11.10)

横浜市磯子区という場所は、昔から素晴らしい音楽を生み出した土地でした。古くは美空ひばり、最近ではゆずの出身地としても知られます。その磯子にまた新しい「伝説」が生まれたなんて言うと大袈裟ですが、本人達も言う「ローカリズム」を大切にするバンドのデビュー作です。リーダーのアキヤンの幅広い音楽性と曲作りのセンスに、暖かい人間性が加わり個性的なメンバーが集まって紡ぎ出したサウンドは、金だけかけてベルトコンベアのように生み出されるメガヒットとは、一味も二味も違う「人間」を感じる音楽です。「忘れないで」の感情のこもったケツ子の歌、渋みたっぷりのタクの「アン・インジュアド・バード」、ペーソス溢れるトシヤの「貧乏な恋」。こうしたスパイスを振りかけながらも根底にある音楽はアキヤンの人生そのものだと思いました。ロック、フォーク、ファンク、ブルースなどのジャンル分けはこの音楽の前では無力です。ギターのシンヤは僕は手の内を知り尽くしているんですが、ジミ・ヘンドリックスやクラプトンなどを消化しきり、その上に加わった個性が出ています。でもスヌークス・イーグリンのファンが聴いたらニヤッとしますよ。2002年リリース。是非是非買ってください!なお彼らのホームページはここです。



YAN楽団 ; 沖のメランコリー ; ARCSHIP no number (2006. 8.21)

2006年リリース。ようやく完成したって感じです。前作がアキヤンのおもちゃ箱をひっくり返して、みんなで寄ってたかって遊んでみたっていう、すごく楽しいけどどこかとっ散らかった印象のあるアルバムだったんですが、今作はライヴバンドとしてのキャリアも積み上げ、しっかりと根を下ろしつつあるバンドの今をとらえていると思います。RC・サクセションあたりから影響を受けたのかなと思わせるロックナンバーもありますが、どちらかというとアルバムの中心を占めるのはバラードナンバー。アキヤンのいつまでたっても少年の瑞々しさを忘れない完成が光る、ちょっと切ない曲がやはりアルバムの核といえます。そんな中、トシヤ一世一代の名曲「恋の貧乏」が収録されているのが嬉しいですね。アマチュアバンドと侮ってはいけませんよ。興味のある方は僕にメールください。お奨めです。



Yasuaki Shimizu & Saxophonettes ; Cello Suites 1-3 VICTOR VICP-235 (2001. 9.11)

1996年録音。テレヴィのコマーシャルで使われていて、気に入って買ったものです。バッハの無伴奏チェロ組曲は心地よいメロディでけっこう気に入りだったんですが、このサックスのサウンドがインパクトがあります。洞窟などを使って録音したようですが、ナチュラルなエコーを見事に生かしていて、サックスという楽器の持つ音の深みを上手く引き出しています。でもそれより気に入ったのは、ホンク・テナーに通じる音使いを感じたからです。メロディをきれいに吹いているかと思うと、「ヴォー」とかます瞬間。この人はサックスを吹く快感を熟知しているに違いありません。



Yerba Buena Stompers ; San Francisco Bay Blues ; STOMP OFF CD1406 (2007.11.14)

2005年リリース。このレーベルはこうしたディキシーランド・ジャズ系のバンドを取り扱っているようですね。このバンドもベースはチューバで、ハコの中より街角やカフェテラスの前あたりで演奏する方が似合いそうなストリート感覚を感じさせます。曲もタイトル曲の他「トラブル・イン・マインド」「トム・キャット・ブルース」「イエロー・ドッグ・ブルース」と古典的な作品、さらには「ブルー・ムーン・オヴ・ケンタッキー」なんてカントリーな曲も登場。そんな中、「ビーズ・ニーズ」「ブラック・アンド・ホワイト・ラグ」のピアノとバンジョーを活かした軽快な曲に特に魅力を感じました。



The Yes Yes Boys ; Why Say No? ; HOBEMIAN HB007 (2003. 3.18)

2002年リリース。バンドのネーミングから洒落っ気を感じますが、音楽もおしゃれです。古いディキシーランド・ジャズやジャグバンドのような曲を、確かなテクニックで、でも小粋に決めます。ヴォーカルとウクレレのデル・レイは女性のようですが、落ち着いたヴォーカルが和みます。でも何と言ってもクレイグ・フローリィのクラリネットの音が素晴らしいです。ふくよかな深みがあってうちのカミサンも気に入りました。曲は変幻自在で茶目っ気もあり楽しいアルバムです。



Yoko Noge And The Jazz Me Blues Band ; Struttin' With Yoko ; JAZZ ME BLUES 004 (2001.10.13)

2001年にリリースされたシカゴはホットハウスでのライヴです。サウンドはバンド名から分かるようにジャズ系のサウンドなんですが、いわゆる「難解」な感じは全くなく、凄くストレートに演奏しています。落ち着いた演奏で、ブルースやジャズのスタンダードにオリジナルを交え、ヨーコさんの他トロンボーンのジョン・ワトソンも味のあるヴォーカルを聴かせます。注目はやっぱり「伊勢佐木町ブルース」でした。ヨーコさんの歌は、青江三奈とはまた違った濃さがあり、日本語が分からない人にも十分にその情感は伝わるんではと思いました。でもこの歌、元々今の伊勢佐木町の感じではなく、30年前の、それも一本路地裏の「親不孝通り」のイメージなんです。



Yoko Noge & The Jazz Me Blues Band ; Live At Kaho Theater ; JAZZ ME BLUES 005 (2004. 4.30)

2002年秋、筑豊は飯塚の嘉穂劇場でのライヴです。ジャケットのポスターに「歌謡ショー」とありますが、いかにも野毛さんらしいスタイルで貫かれた好盤です。洒悦な「サニー・サイド・オヴ・ザ・ストリート」で幕を開け、ジョン・ワトソンがサッチモよろしく歌う「ジョージア」と、シカゴでの活動を再現したかと思うと、「今夜のあんたは最高よ」「黒の舟歌」から「星の流れに」と、日本語の渋い選曲が続き、若い頃の自作ブルース2曲で場が盛り上がっていきます。ハイライトは何と言っても「炭鉱節」で、三部構成の見事な解釈で最初はじっくり聴かせ、最後は観客を巻き込んでステージは最高潮。とにかく客と演奏者の距離の近さが素晴らしいです。筑豊は僕も学生時代に行ったことがあり、ヤマ独特の、寂れつつもどこかでぐっと身構えたような空気が懐かしいんですが、それから四半世紀、年齢を増した彼の地のの人達が、丸みを帯びつつもヤマを忘れていない、そうした心を見事に掴んだ最高のライヴだと思いました。



Yoshinobu Takeda ; ...A Boy From Lion Street ; ZEAUXMUSIC no number (2003.10.29)

2003年リリース。「象さん」ことバークレイ在住のタケゾーさんのソロアルバムが届きました。まず1曲目「Umi O Koete」の和太鼓にびっくり!日本語だけの曲や、英語と日本語をミックスした曲など、そのオリジナル曲からは強い郷愁を感じました。「サンキュー・フォー・ユア・ソング」ではオーティス・レディングやジョン・レノンと並んで九ちゃんへの賛辞も入っていますし、マイナーで素敵なメロディの「ライオン・ストリート」等、自分の人生を振り返るような作品から、タケゾーさんが足元をしっかり確かめながら、前に進んでいこうという気概が伝わってきます。英語で歌われる「メイ・ピース・プリヴェイル・オン・アース」も、メロディは完全な「和」です。売るために売れるメロディとサウンドを作ったのではなく、本当に自分の歌いたい歌をやっている姿勢に、大いなる共感を覚えます。バックミュージシャンに、ロバート・クレイに曲を提供しているジム・ピューの他、エルヴィン・ビショップ・バンドにいたジョニー・ヴァーナッザの名前を見つけたときには嬉しくなりました。



Young Guardians Of The Flame ; New Way Pockey Way ; BIG QUEEN/P-VINE PCD-5550 (2002. 2.25)

1999年リリース。ガーディアンズ・オヴ・フレイムの「ビッグ・チーフ」ドナルド・ハリソン・シニアの死後、その跡を継ぐ若いマルディグラ・インディアンによる作品集です。いきなりヒップホップを絡めたチャントから始まるのにはたまげましたが、割合オーソドックスな有名曲が多い選曲で、結構ヴァラエティもあり、楽しめました。でもぐっと来る迫力みたいなものには欠けていました。これは若さゆえの限界なのかもしれません。



Young Jessie ; I'm Gone ; ACE CDCHD 607 (2007. 8.15)

1953〜57年録音。この人は西海岸で活動した人だと思いますが、詳細はよく知りません。「メアリ・ルー」がヒット曲で、アルバムタイトルはこの曲の冒頭の歌詞からとったようです。ザ・ハンターズ名義もあり、また多くの曲でコーラスが入っていますから、ドゥーワップあがりの人なんでしょうね。「ウーチー・クーチー」のように完全にソロで歌っている曲もありますが、いかにもロックンロール時代に対応しようとしたのが分かる曲調です。名前やジャケットの顔から想像するよりぐっとタフな声で、結構気に入りました。もう少し調べてみよう。あと時折凄く格好いいギターが聞こえてくるんですが一体誰なんでしょうか。



The Young Tuxedo Brass Band ; Jazz Begins ; COLLECTABLES COL-CD-6921 (2009. 5. 7)

2007年リリース。ニューオーリンズに数あるブラスバンドのひとつですが、比較的オーソドックスなサウンドを聴かせます。このアルバムのユニークな点は、葬送の様子を再現していることで、前半は埋葬に向かうもの悲しげな曲を集め、後半はそこから戻る陽気なナンバーを集めているところです。いわゆるセカンドラインですね。前半は「エターナル・プレイス」などまさに葬儀曲をメドレー入りで3曲、後半は「ジャスト・ア・クローザー・ウォーク・ウィズ・ギー」から始まり「バーボン・ストリート・パレード」や「パナマ」などダンサブルな曲へ。葬送の現場にいるような錯覚に陥りました。




Youssou N' Dour ; Eyes Open ; SONY MHCP-1117 (2006. 9.14)

1992年リリース。セネガルが生んだスター、ユッスーがスパイク・リーのレーベルに残した作品です。いかにもアフリカ的なパーカッションにギターを軸に、レゲエやヒップホップに通じるサウンドを織り交ぜ、時にはスパニッシュやロマなどのヨーロッパ的な伝統を忍び込ませるなど、まさにワールドワイドな音をバックに、アフリカの現実などを歌い込むメッセージ性の高い歌がぎゅっと押し込まれています。そして彼の魅力は何と言ってもその声。抜けるような透明感と憂いすら感じる情念を含んだ豊かな歌声は、背景にイスラームの伝統を感じずにいられません。特に節回しにはクルアーンを詠うような響きがあり、これが彼の音楽を際立たせているように思いました。



Yuko ; Seasons Of Dreams ; YUKO UKR0001 (2008. 6.11)

2008年リリースのみにアルバムです。Yukoさんは横浜で活躍するシンガーで、自身の奏でるウクレレをバックに、まさに清楚という言葉がふさわしい歌を歌います。このアルバムではラストの「ダニー・ボーイ」以外はすべてオリジナルの英詞。さすがイギリス留学で鍛えた英語で、違和感は全くありません。また歌もジャズの基礎を学んだしっかりしたもの。曲調もいい意味でポップで親しみやすいです。アマチュアでこれだけの音楽が表現できる人が、世の中にはたくさんいるんです。メディアに露出していないいい音楽を、もっとみんなに聴いてもらいたいですね。



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