CD INDEX(Z)
 

アーティストの名前順に並んでいます。「TODAY'S CD」で紹介したものは紹介文が付いています(日付)。紹介文のないものは「おすすめCD」か「お気に入りのミュージシャン」の中で紹介されているもので、「Click Here!」をクリックすると該当のページにジャンプします。

BACK ・ NEXT ・ HOME ・ 音楽の部屋


 
Z.Z. Hill ; The Down Home Soul Of Z.Z. Hill ; KENT CDKEN 099 (2004. 5.24)

1964〜71年のKENT時代の録音集です。この時代最大のヒット「アイ・ニード・サムワン」を始め、自作のサザン・フィーリング溢れるソウルフルな作品が中心ですが、「ハヴ・マーシー・サムワン」などサム・クックからの影響を強く感じます。「ナッシング・キャン・チェンジ・ディス・ラヴ」のカヴァーも愛情を感じるものですし。またタイトなアレンジの「ノー・モア・ドギン」あたりは時代の変わり目にあってスタイルにあったやり方を模索している様子が分かります。強烈な個性はないんですが、アップ良しバラード良しで、この後の大活躍が予感されます。



Z.Z. Hill ; The Complete HILL Records Collection / UA Recordings, 1972-1975 ; CAPITOL CDP 7243 8 36296 2 6 (2005. 5.17)

2枚組です。発売当時買い損なっていたものを、数か月前中古屋で見つけて購入。このCAPITOLのシリーズは特にピート・ウェルディングが監修したものは、詳細なディスコグラフィが付いていて重宝するんですが、これはライナーを読まなきゃいけないんでちょっと辛いです。音を聴いた感じだと、前半はややファンクがかった感じの演奏がなかなかイカしています。「ユー・ワー・ロング」のリメイクもシンコペーションの効いたエイトビートで、ちょっと当時のフレディ・キングなどのアプローチに近いものも感じました。またボビー・ブランドのヒット曲をカヴァーした「エイント・ナッシング・ユー・キャン・ドゥー」は落ち着いた歌唱で、実際小ヒットとなったようです。2枚目に行くと、かなりカントリーやゴスペルの要素を加えた演奏が耳をひきました。ひょっとしたらマッスル・ショールズあたりの録音でしょうか。ワルツもあります。さらに「キープ・オン・ラヴィング・ユー」になると、聴けば即分かるアレン・トゥーサン・サウンドで、バックは間違いなくミーターズ。全体に少しポップな要素を入れたソウルナンバーが多く、ヒットを狙っていた様子が分かります。MALACO時代のブルーズンソウルな感じとはまた違った、中堅歌手ヒルの魅力がつまったアルバムです。



Z.Z. Hill ; This Time They Told The Truth - The COLUMBIA Years ; COLUMBIA/LEGACY CK 64859 (2005. 6.18)

1977年と79年の録音。時代はディスコで、このアルバムにもそうした要素が影を落としています。リズムこそあの金太郎飴的なものとは違いますが、全体に音作りがポップで、メジャーレーベルが歌の上手いZ.Z.を売りにかかっているなという印象。で、今聴いてみても決して出来が悪いわけではないと思うんですが、どこかポップになりきれないZ.Z.がそこにいるようにも感じました。もしここから1曲でもヒットが出ていたら、のちのMALACOのZ.Z.はいなかったかもしれません。まさに過渡期のアルバムという印象を受けました。



Z.Z. Hill ; Z.Z. Hill ; MALACO MCD 7402 (2005. 6. 8)

1981年リース。MALACO移籍第1弾です。この前のCOLUMBIA時代がかなりポップだったのに対し、レーベルカラーもありかなりルーラルな感じになっています。ただまだ方向性を計りかねているような面も見受けられます。全体にサザンソウル路線と言っていいのでしょうか。スローのバラード系が並んでいて、ヒルの歌の上手さは生きているんですが、ちょっと退屈かな。終盤2曲にブルースが入ってきますが、特に「ブルー・マンディ」のディープな歌など魅力的ですね。この路線が自作「Down Home」で結実していくんでしょう。



Z.Z. Hill ; The Rhythm & The Blues ; MALACO MCD 7411 (2005. 7.13)

1982年、MALACO時代で最も脂の乗り切っていた頃の作品集です。冒頭デニス・ラサールの「サムワン・エルス・イズ・ステッピン・イン」は、もはやシカゴあたりではスタンダードとなって多くのバンドにカヴァーされていますが、「ダウン・ホーム・ブルース」と同じ香りが漂うこのヒルのヴァージョンから影響を受けたものが多いように感じられます。「オープン・ハウス・アット・マイ・ハウス」のタイトなサウンド、ノリのいい「ワン・ダン・ドゥードル」とファンクネスを感じるサウンドは、この時代としてはかなりイケていたんじゃないでしょうか。一方しっとりと歌うスローバラードでは少しスモーキーな声が漢を感じさせますね。僕はこの盤が彼の最高傑作ではないかと思っています。



Z.Z. Hill ; Down Home ; MALACO MCD 7406 (2005. 6.24)

1982年リリース。これ聴いてやっぱりジョージ・ジャクソンて凄いなって思いました。このアルバムが出た頃って、僕がブルースにはまり始めた頃なんですが、雑誌とかで特段印象に残ってないんですよね。でも数年後RHINOのコンピで「ダウン・ホーム・ブルース」を聴いたとき、ビビッと来たんですよ。誰が歌ってるかよりその曲にね。もちろんZ.Z.は素晴らしい声で歌ってますし、やっぱりこのアルバムがMALACO時代の頂点なのかなって思います。でも僕は60年代の彼の方が好きだったりするんですよ。というのは、ボビー・ブランドもリトル・ミルトンもそうなんですが、なんだか「MALACO」って枠にはまった音に聞こえちゃうからかもしれません。



Z.Z. Hill ; Bluesmaster ; MALACO MCD 7420 (2005. 6.28)

1984年と言えばZ.Z.が心臓麻痺で急逝した年のリリースです。心なしか声が荒れた感じがするのと、曲が「ダウン・ホーム・ブルース」の二番煎じ的なものと、妙なポップ路線の曲が多いことで、やっぱり次が開けなかったのかななんて勝手に思っちゃいます。MALACOというレーベルカラーもあるのかもしれませんが、日本のベテラン演歌歌手が作る予定調和的なアルバムに通じるものを感じてしまいました。



Zakiya Hooker ; Keeping It Real ; BOOGIE WITH THE HOOK no number (2009. 9. 4)

2009年リリース。もちろんジョン・リーの娘で、ジャケット裏の写真を見るとお父さんと和田あき子を足して2で割ったような雰囲気ですね。手慣れた演奏をバックに、割合さらりとブルースを歌っていますが、兄弟のジュニアと同様、ラスベガスとかハリウッド界隈のクラブ・シンガーって趣です。ガツンと来るものはほとんど感じませんでした。面白かったのは父親の音源をサンプリングした「エンド・オヴ・ザ・ワールド・ブルース」や「ロック・ジーズ・ブルーズ・アウェイ」。特に後者はジョンリー最後?のアルバム「フェイス・トゥ・フェイス」収録のものにオーヴァーダブしたもので、父親に対する愛情を感じました。




Zapp & Roger ; We Can Make You Dance - The Zapp & Roger Anthology ; WARNER BROS./RHINO R2 78344 (2002. 2.18)

1975年から96年にリリースされたロジャー、ザップのベストです。何で今までこの人たちを聴かないで来たんだろう。非常にタイトでグルーヴィーなファンクビートをベースに、まるで宇宙人のようなロジャーのトーキング・モジュレイタが飛び回ります。サウンド的には陽性で、コミカルさすら感じます。特に「悲しい噂」「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」「ウー・ベイビー・ベイビー」などのカヴァーは端整な作りなんですけれど、充分に笑える要素があります。「悲しい噂」など、原曲にあるシリアスさは後に引っ込み、何か他人事のような雰囲気になるのがライトで気に入りました。全体に80年代前半くらいが一番円熟している感じで、90年代に入ると迷いが生じているようにも思えます。とにかく麻薬のような魅力のある人達ですね。



Zigaboo Modeliste ; Zigaboo.Com ; JZM 2001 Click Here!

Zigaboo Modeliste ; I'm On The Right Track ; JZM 2004 (2004. 5. 4)

2004年リリース。ジガブー久々のリーダー作は、ドクター・ジョンやアイヴァン・ネヴィルも参加していますが、前作以上にニューオーリンズ・ファンクとフュージョンの間をいったり来たりした作品です。「ウェルカム・トゥ・ニューオーリンズ」やミーターズ風味の「アイ・ライク・イット・ライク・ザット」(歌はコーラスだけ)や「ファット・トゥーズ・デイ」などはファンキーなんですが、全体にうねりが不足している感じ。これはジガブーのドラムが昔ほどはちゃめちゃでなくなったのもありますが、ベースやキーボードなどのサウンドのせいかな?だってドクター・ジョンが入るとそれなりにフォンクしてるんですから。フュージョンを感じるのももしかするとカリフォルニアのミュージシャンがそうした路線が好きなのかもしれません。



Jozeph "Zig" Modeliste ; O-B-A-M-A, Obama ; JZM no number (2008.12. 4)

2008年リリース。ジガブーの名前があったんで買ったんですが、なんとオバマ宣伝用のシングルでした。リズミックな演奏をバックに、「オバマ」を連呼するテーマ。でも歌の部分はなかなかねちっこいニューオーリンズ節でちょっと安心。こんなのもあるんですね。




Zigaboo Modelliste & Gaboon's Gang ; Funk Me Hard - Live ; JZM 2009 (2009. 5.15)

2009年リリース。タイトル通りのファンク・ナンバーを集めたライヴなんですが、ジガブー、昔ほどのリズムのためや切れが感じられません。なんだか普通のドラマーになっちゃったなっていうのがこのアルバムの印象です。ニック・ダニエルズやアイヴァン・ネヴィルなどが参加していますけど、ぐぐっと来るうねリを感じないんですよね。やっぱりピークを過ぎちゃったのかなぁ。後はジョージ・ポーター・ジュニアのベースの凄さを違ったところで再確認したって面もあります。




Zora Young ; Travelin' Light ; DELUGE DEL D 3003 (2005. 8.11)

1992年リリース。中古で購入。このアルバムが出たときすでにゾラは40才をすぎて脂の乗っている時期ですが、パイントップ・パーキンス、ジェリー・ポートノイ、ウィリー・スミスなど手堅いバック陣に支えられ、落ち着いたヴォーカルを聴かせます。ベースにゴスペルがあるのはその歌い方ではっきり分かりますが、あまりメリスマを効かせすぎず、パワー70%で丁寧に歌い込んでいて好感がもてます。まあこれは個人的にあんまりがなりすぎるヴォーカルが好きじゃないってこともあるんですけど。スリム・ハーポの曲の改作ともいえる「クウィーン・ビー」なんていいムードだなぁ。もっとソロアルバムをどんどん出してもらいたい人です。



Zora Young ; Tore Up From The Floor Up ; DELMARK DE-784 (2005.12. 6)

2005年リリース。まずは印象的なイントロの「ラヴ・オヴ・マイン」からスタート。あんまり力まないでさらっとした感じで入りますが、そこは実力派。歌っているうちにテンションが上がってくるのが分かります。オリジナルの他、B.B.キングやボビー・ブランドの曲もやってますが、ブラスの効いたドロリとしたファンクの「ティル・ザ・ファト・レディ・シングズ」が格好いいですね。「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」もさすがの貫禄で余裕でこなします。バンドも的確ですがこじんまりとしておらず元気があって、タイトル曲あたりはその辺の良さも出ています。ラストナンバーの「トゥー・トレイン・ラニング」はマディの曲だそうですが、アコースティックで渋く決めてますね。なかなか好盤だと思います。



Zora Young ; Sunnyland ; AIRWAY 4765 (2010. 2. 5)

2009年リリース。バックにヒューバート・サムリン、ボブ・ストロージャーらを加えたアルバムです。中に「ヒューバーツ・グルーヴ」なんて「トランプ」風のインストが入ってたり、2曲サムリンの歌が入ってますから、名義はともかくサムリンが準主役と位置付けられていますね。全体に音の作りが軽く、ゾラもさほど力んだ感じではありません。だいたいタイトル曲がインスト・ナンバーですから。そのひとつの要因がバレルハウス・チャックのピアノにあるのかもしれませんね。タイトル曲で聴くことができるように、軽妙なピアノでサウンドの要を押さえています。




Zydeco Bone Shakers ; Bone Shakin' Zydeco ; LOUISIANA RED HOT LRHR 1105 (2004. 1. 5)

1999年リリース。バンド名というかタイトル通りのジャケットに包まれたアルバムですが、サウンドはかなりポップです。冒頭の「ワン・トラック・マインド」、曲のつなぎ目のコード進行がザ・バンドの「ザ・ウェイト」みたいですし、「アイ・ビーン・ソー・ロンリー」やファッツ・ドミノの「ブルー・マンディ」では、スワンプ・ポップ風味がたっぷりです。もちろんトゥステップやワルツもあり、ボタンアコらしいサウンドもたっぷりなんですが、独特の軽さがあります。因みにドラムは何とキース・フランクだったりします。



Zydeco Force ; The Zydeco Push ; MAISON DE SOUL MDS 1048 (2003. 3.28)

1994年リリース。最近のものに比べややザラッとした感じで、ヴォーカルもそんなに強烈ではありませんが、ビートの効いたケイジャン・アコがダンサブルなのと、ファンクネスを感じるベースが新しさを出しています。何曲かブギものもあり、ブルースファンにも取っ付きやすいかな。ザディコ盤「アイル・テイク・ユー・ゼア」とかユーモラスな「ローチェズ」などもありかなり楽しめます。当時としてはかなり斬新な作品だったのかもしれません。



Zydeco Force ; We're Back! ; J&S JS-6101 (2006. 5.12)

2000年リリース。これまためっけ物の1枚です。こんなのが横浜も中古屋で見つかるとは思いもよりませんでした。ザディコ・フォースは現在のモダンなグルーヴを強調した新世代ザディコの先駆者的な存在と言っても良く、冒頭の「ラヴ・トゥ・ザディコ」からソリッドなリズムとタイトなコーラスが炸裂しています。ロビー・ロビンソンとジェフリー・ブルッサーのふたりが核になっていて、ふたりのギターもリードで歌えるという強力な布陣。力強いトゥーステップがたっぷりで、さすが「軍隊」を名乗るだけのことはあります。笑ったのが「レット・アス・プレイ・アワ・ウェイ」で、ドゥービー・ブラザーズの「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」をちゃっかりパクってます。またゆったりしたバラード「ジャスト・ビコーズ」は、新しいソウルの香りもあり、「クルージン」のメロディアスなアコーディオンなど聴き所たっぷり。これは良いアルバムでした。



Zydeco Force ; You Mean The World To Me ; MAISON DE SOUL MDS-1078 (2002.11. 6)

2001年リリース。このバンドはベースとかドラムのビートとかには今風のものを強く感じるのですが、合いの手の掛け声や全体のサウンドは、むしろ伝統的なザディコを思わせます。この点がクリス・アルドワンとはちょっと異なるところですか。パワフルなヴォーカルに、決して洗練はされていないけれど力強いコーラスが加わり、まさにバンド名通りの「フォース」を感じます。面白いのは「ジャパニーズ・ザディコ」という曲で、イントロは例によって中国風のフレーズ(階名でいうとミ&ド、レ&ラ、ド&ソ、ラ&ミという和音のメジャーペンタ的な下降旋律で、またかよって思いました)ですが、曲自体は明るい印象を持つダンサブルなナンバー。最後に「アリガトネ」とは恐れ入りました!まさか敦子さんが日本語教えたんじゃないでしょうね?



Zydeco Force ; Rock Awhile! Z-Force Style ; MAISON DE SOUL VMS-7009 (2003. 8.15)

2003年リリースのミニアルバムです。ザディコ・フォースと言ったらかなりソウルフルで押しの強いザディコの印象ですが、この作品だと少し方向性が変化したように思います。コーラス中心のヴォーカルは相変わらずですが、ややノリが軽く、音が整理されてポップさが増した感じです。スピード感はありますが、納豆で言えば粘りが少なくなった感じでしょうか?その分聴きやすく、楽しいアルバムですが、僕としてはもう少しこってりしててもいいかなとも思いました。



Zydeco Force & Lil Guyland ; Louisiana Chicken Shack ; SHRIMPO'S MUSIC no number (2005.11. 9)

2005年リリース。これ、最初にカーステレオで聴いたとき、なんだかラジカセで録音したようなローファイな音が出てきたんですよ。壊れたのかと思いましたが、どうやらそういう音らしいです。その音の向こうから聞こえてくるビートは、ザディコ・フォースらしいタイトさのあるノリのいいもので、曲によって変化をつけたイコライジングで、なんだか時代がかっていたりするんですが、この辺りの事情はインレイに記載されていますね。曲によってはオルガンも入り、またちっちゃな子供のリル・ガイランドも可愛らしい声とアコーディオンで参加、こうやってザディコの伝統は守られていくんだなって思いました。ハイファイなサウンドで録音したらどんな感じかななんて、想像しながら聴くのも一興です。



Zydeco Hurricanes ; Louisiana Zydeco! ; MARDI GRAS MG 5012 (2006. 8.28)

1994年リリース。ザディコ・ハリケーンズがギタリストのセルウィン・クロッパーを迎えて作ったアルバムです。「ビッグ・マモウ」「アイム・カミング・ホーム」「ホット・タマル・ベイビー」とザディコの代表曲に「ザ・ナイト・タイム・イズ・ザ・ライト・タイム」「ウォーク・アップ・ディス・モーニング」のようなR&B色の強いブルースチューンを交え、セルウィンのプレイをたっぷり聴かせます。サウンド的にはこのレーベルらしいややポップでまろやかなサウンド。その分迫力には欠けますがBGMとしては聴きやすいかな。



Zydeco Joe ; Jack Rabbit ; MAISON DE SOUL MDS-1078 (2002.12.22)

2001年リリース。いやいや、久しぶりに懐かしいザディコに出会いました。この人は1943年ラフィエ生まれ。おそらく白人かと思ったんですが、敦子さんによるとクレオールだそうです。ボタン式のアコーディオンを演奏していますが、2ビートやシャッフル系のリズムで、つい半年前の僕のザディコのイメージ通りの演奏です。楽しげでノリもよく、自然に身体が動きました。この人、心の底からザディコが好きなんですね。強烈なインパクトは感じませんでしたが、何だかホッとする、安心できるサウンドです。



Zydeco Joe & The Laissezle Temps Rouler Band ; Black Cat ; ZYDECO GUMBO ZG0002 (2006. 8. 1)

2006年リリース。1曲がけっこう長尺のダンサブルなトゥーステップでこれでもかと押してくる、ラフィエのベテランらしいダンスアルバムです。いかにも普段は野良仕事でもしてますって雰囲気のザディコ・ジョー、ちょっとがなるようなヴォーカル、シンプルだけどぐいぐいドライヴするケイジャン・アコーディオン、リズムに変化をつけながらも踊らせるための音楽としてのザディコの原点に返ったようなアルバムです。ラストの「ホワイ・キャント・ウィー・ゲット・トゥゲザー」は「タイトゥン・アップ」をゆったりとさせたような2コードのナンバーなんですが、それこそ投げ捨てるような語りとも歌ともつかないヴォーカルがジョーらしいですね。



Zydeco Kicks ; Trailride ; ZYDECO KICKS no number (2009. 4.25)

2009年リリース。関東で唯一といっていい本格的なザディコ・バンドがアルバムを作りました。ブーズー・チェイヴィスやボージョック、クリフトン・シェニエの曲に日本語で詞を乗っけて、2枚のラブボードが煽りまくる、ドライヴ感たっぷりの演奏をぶちかますライヴ同様の楽しいアルバムになっています。オリジナル曲も収録してバンドとしてのまとまりも増していますね。このユニットの面白いところはもともとケイジャンをやっていたメンバーがいるため、ザディコと言ってもどこかのどかな風味が漂うところです。でもザディコならではのダンサブルなサウンドでいっぱい!楽しいですよ。




Zydeco Warriors feat. T-Broussard ; Party Time ; LOUISIANA RED HOT LRHR 1115 (2003. 8. 1)

1999年リリース。このバンドの仕掛人はザディコ・フォースのリーダー、ロビー・ロビンソン、プロデュースだけでなく曲も全曲提供しています。T-ブルッサーという写真を見る限り若手のフロントマンを立て、いきなりレゲエのノリでかましてくれます。タイトル曲もトゥーステップなんですけど、リズムの軽い跳ね方とかユニゾン系のコーラスが、ちょっとのどかで楽しい感じ。中高音を強調したシャキッとした音作りと、ちょっと緩みのあるリズムがザディコ・フォースとは違ったポップさを出しています。これ、かなり面白いなぁ。



Zydepunks ; ...And The Streets Will Flow With Whiskey ; ZYDEPUNKS no number (2006. 2. 4)

2005年リリース。バンド名に騙されて購入。1曲目こそアップテンポのケイジャン・ダンス・チューン風でしたが、他の曲はどちらかというとクレズマー・ミュージックやロマ(ジプシー)など、東ヨーロッパからスペインまで広がるような、流浪の民の音楽に思えます。マイナーを基調としたアコーディオンにヴァイオリンの調べは哀愁があり、その後でドタバタと鳴るドラムがなんともローカルな感じ。でもどこかヒップな感覚もあり、アルバムタイトルは妙に納得させられました。ラストにあっと言う間に終わるブルースがなかなかシュール。不思議な音楽です。



The Zydepunks ; Exile Waltz ; NINE MILE NMR 0111 (2007.10.21)

2007年リリース。タイトルからニューウェイヴのザディコかと思って買ったんですけど、どちらかというとクレズマーとかそういった音楽ですね。2台のアコーディオンから生み出されるメロディは、マイナーを基調とした哀愁を感じさせるもので、リズムもいわゆる黒っぽいうねりのあるダンスではなく、ケイジャンよりもさらにヨーロッパのテイストが強いものです。大体ラブボードが入ってないんですから、クリフトン・シェニエの「ザディコ・チャチャ」がザディコに聞こえないんです。ある意味摩訶不思議で面白くはありましたけどね。



The Zydepunks ; Finisterre ; NINE MILE NMR 0112 (2008.12. 6)

多分2008年の新譜です。毎度お馴染みのクレズマー風楽曲を、ザディコ風味のアコーディオンで彩っているんですが、確かにどこかパンキーな感じが増してきました。バタバタするドラムはますます派手になっている気がしますし、スピード感も増しているようです。曲によってはロシア民謡のようであったり、フランス語で歌っていてもどこか普通のケイジャンやザディコとは違うんですよね。そんな中やけに普通のフォークソングっぽい「ディア・モリー」なんて曲が出てくるとホッとしちゃったりします。でも歌詞の意味が分かるときっともっと面白いんだろうなって、この世の果てに航海する船のイラストを見て思いました。




ZZ Top ; Mescalero ; RCA/BMG BVCP-21304 (2003.10.11)

2003年リリース、ZZ Topの4年ぶりの新作は、超弩級の重低音を引っ提げて帰ってきたオヤジロックの真髄です。このファットでファジーなサウンド、一発で分かるZZ Topの音です。スペイン語の歌詞を交え、時折トム・ウェイツのようにうめき、スクラッチのような手法を使い、ドロッとしたギターサウンドが津波のようにおそってきます。JBLの40cmウーハーをフルテンで鳴らしてみたい衝動を覚えました。そして何と言っても「トランプ」ですよ。このアレンジ、完全にやられました。脱帽です。役者が違います。このフルソンナンバーの最高のカヴァーヴァージョンでしょう。オヤジパワー、恐るべし!



ZZ Top ; Live From Texas ; ISOL DISCUS ORGANIZATION / EAGLE GQCP 59114 (2010. 2. 26)

2007年のライヴです。ZZトップの正規ライヴって、「Fandango」のA面以来じゃないでしょうか。このバンドの変わらない魅力が詰まってます。例えば「ウェイティン・フォー・ザ・バス」〜「ジーザス・ジャスト・レフト・シカゴ」のドロッとしたブルージーな感覚は30年以上経っても変わらないってのがすごいです。80年代の大ヒットアルバム「Afterburner」以降の曲を敢えて外して、中盤に「Elminator」の曲を固めてますが、僕の好きな70年代の曲がたっぷり入ってるのがたまりませんね。ラスト2曲の「ラ・グランジェ」「タッシュ」になると思わず立ち上がっちゃいました。映像も出ているようなので、是非見たいです。




BACK ・ NEXT ・ HOME ・ 音楽の部屋