THE METERS の CD -part 2 未発表集・編集盤・ライヴ盤
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*注 ここに紹介するCDは僕の保有するものであり、決してすべてを網羅しているわけではありません。
[11]: GOOD OLD FUNKY MUSIC (ROUNDER CD 2104)
- Good Old Funky Music
- Rock 'N' Roll Medley
- a) Rockin' Pneumonia
- b) Something You Got
- c) I Know
- d) Personality
- Riddle Song
- He Bite Me
- Pickin' And A Grinnin'
- Jambalaya
- What More Can I Do
- I'm Gonna Put Some Hurt On You
- Heartache
- Keep On Marching
- Voodoo
未発表集と銘打たれており、録音時期は特定できないが、シリルの参加曲が多く、ヴォーカルものの多いことを考えるとJOSIE末期〜1975年位の録音だと思われる。(1)はJOSSIE 1031としてリリースされたファンク・ナンバー。ただしロングヴァージョンのようだ。かなりロックっぽいギターの音、シリルのコンガも入っており、ミーターズの面々の熱い息遣いが聞こえてくるようだ。JOSSIE最後のシングルにして、PEPRISE時代に連続するサウンドとなっている。
(2)は後にクウィーン・メリーでのライヴやネヴィル・ブラザーズ時代のライヴでも好んで取り上げるメドレー。74〜5年の録音ではないだろうか。ニューオーリンズのパーティ・ソング目白押しで、シリルの跳ねるようなヴォーカルが印象的。d)はロイド・プライスの「パーソナリティ」となっているが、シレルズの「エヴリバディ・ラヴズ・ア・ラヴァー」のクレジット違い(ライヴ盤のクレジットによる)だと思う。ロイドのものとは曲が違う。
(3)はアートのヴォーカルを全面にフューチャーした静かなバラード。4人での演奏で控えめなバックに乗った名唱だ。続く(4)はジガブー作のスローなファンク。おそらく70年代前半の録音でピアノが印象的。一方(5)はワウ・ギターとクラヴィネットをバックにした、ロック調の決めを持つギター・インストで、レオはかなりジミ・ヘンドリックスを意識しているように感じる。かなりブルージーなギタープレイだ。
ハンク・ウィリアムズの超有名曲をセカンドライン風に料理した(6)は、ほのぼのしていて[06]-(5)などに通じる雰囲気を持っている。コーラスワークが素敵で、シリルがコンガでも大活躍。(7)はそのシリルの歌をフューチャーしたブラコン風バラードの小品。レオのギターワークが冴える。
(8)と(9)はアート名義で1968年にSANSU 482としてリリースされたもののようだ。(8)は1962年のレイモンド・ルイスのオリジナルを、雰囲気を壊さずファンク化しており、こういったアレンジはミーターズの独壇場だ。ジガブーのドラム・ワークが凄い。乾いたギターのカッティングをバックに、縦横に動くレオのギターに乗ってソウルフルにアートが唄う(9)は、かなりモダンな印象で、この時期からすでに後のネヴィル・ブラザーズに通じていくものを感じる。
(10)はファンキーなリズムを持つファンクで、(5)と同じ頃の録音のようだ。引きずり込まれる様なリフレインが印象的。ヴォーカルはジガブーのようだが?そしてラストの(11)はフリーフォームの演奏で、ドラム・パーカッションにエコーを効かせ、奇声をバックに絡めて、密林の奥深くといったイメージを出しながら、エフェクトの効いたギターとサックス(誰だろう?)がコンゴの密林にでも迷い込んだような幻想的な雰囲気を醸し出す。ジャケットもこの辺りのイメージとつながるのか、不思議なデザインだ。
[12]: THE METERS JAM (ROUNDER CD 2105)
- Stretch Your Rubber Band
- Come Together
- People Get Ready
- Big Chief
- Groovy Lady
- It's Too Late
- Bo Diddley
- All I Do Every Day
- Trip
- Meters Jam
[11]の続編で、これも未発表を含む作品集。こちらはよりポピュラーなカヴァーが納められており、ミーターズの意外?な一面も見える。
まず(1)はJOSIE 1026としてリリース(1970年録音)された曲で、けっこうポップなメロディーを持ったアップ・ファンク・ナンバー。コーラスワークとブレークの絡みがREPRISE時代に通じている。続く(2)はご存じビートルズ・ナンバー。タイトなリズムと切れ味のいいギターに乗ってシリルのヴォーカルが大活躍する。これは格好いい!ライヴとかでもやっていたんだろうな。さらに(3)はカーティス・メイフィールドの代表曲をアートがじっくりと歌い上げる。レオの的確なギターワークもすばらしい。演奏はかなりシンプルで、おそらくJOSSIEでのデビュー以前の、SANSU時代のアート名義の録音だろう。
(4)も(2)と同じ頃の録音。アール・キング=プロフェッサー・ロングヘアのニューオーリンズ・クラシックの印象的なイントロをオルガンでプレー(ドクター・ジョンとどちらが先にやったんだろう)し、ジガブーの軽快なドラミングに乗って、やや軽めに演奏する。後半アートとシリルのヴォーカルが絡んでいくのが圧巻。
(5)は(1)のB面のインストで。ディストーションとワウを効かせたギターの刻みが印象的なメィディアム。アートのヴォーカルをフィーチュアしたジョン・リッチバーグ作の6もサウンド的にはかなり初期の録音に思える。これもSANSU時代のアート名義の録音だろう。ボー・ディドリーの代表作(7)も1968年にアート名義でSANSU 481としてリリースされたもの。リズムはジャングル・ビートでなく、シンコペーションの効いたエイトで、レオのギターの端々にミーターズ時代のフレーズが見え隠れする。
(8)は一瞬リズム・マシーンと思えるようなリズム(実際使っているように聞こえる)でアート抜きの演奏のようだ。ヴォーカルはおそらくジガブー。スカスカの演奏のバックでうごめくジョージのベースが印象的。(9)はアートのソウルフルなボーカルが堪能できるゴージャスなバラード。メロトロンからハープまでかぶせてあってかなりポップな音作りだ。ただ長尺でちょっと飽きる。ラストのタイトル曲(10)はスタッフなどを彷彿とさせるソウル・ジャズ〜フュージョンといった感じのインストナンバー。かなり自由にインプロヴィゼィションを繰り広げている。こうした「遊び」をスタジオ内で繰り広げて、ジャケットのジャムの瓶の中身のような、濃縮されたあのすばらしいグルーヴが生まれて来るんだろうなぁ。
[13]: CRESCENT CITY GROOVE MERCHANTS (CHARLY CPCD 8066)
- Rock 'N' Roll Medley ;
- a) Rockin' Pneumonia
- b) Something You Got
- c) I Know
- d) Personality
- Riddle Song
- Big Chief
- Come Together
- Tell Me What's On Your Mind
- Gossip
- All I Do Every Day
- Trip
- Meters Jam
- Bo Diddley
- It's Too Late
- People Get Ready
- Stretch Your Rubber Band
- Groovy Lady
何だかブートっぽい怪しげなジャケット。[12]の全曲(ただし音質は[12]の方がかなり良い)と[11]の2曲が重複しているが、貴重なのはシリル・ネヴィル名義の2曲(JOSIE 1014 1969年)で、いずれもレオの作曲。(6)はビッグなリズムのファンキーな曲で、ブラスも効果的に入りかなり格好いいニューオーリンズ・ファンクになっている。レオの大正琴のようなギターが印象的。(5)はそのB面。これもブラスの効いたミディアムで、こちらの方がミーターズ的なリズムをより強く感じる。シリルの歌にはまだ少し青さを感じるが、活きはいい。
[14]: FUNKIFY YOUR LIFE - THE METERS ANTHOLOGY (RHINO R2 71869) DISK 1
- Cissy Strut
- Here Comes The Meters
- Live Wire
- Sophisticated Cissy
- Ease Back
- Stormy
- Look-Ka Py Py
- Pungee
- Thinking
- This Is My Last Affair
- Funky Miracle
- Yeah You're Right
- Little Old Money Maker
- Dry Spell
- Chicken Strut
- Same Old Thing
- Darling Darling Darling
- Tippi-Toes
- Ride Your Pony
- A Message From The Meters
- Zony Mash
- Stretch Your Rubber Band
- Groovy Lady
- (The World Is A Bit Under The Weather) Doodle-Oop
- I Need More Time
- Good Old Funky Music
DISK 2
- Stay Away
- Soul Island
- Do The Dirt
- Cabbage Alley
- People Say
- Hey Pocky A-Way
- Africa
- Fire On The Bayou
- Talkin' 'Bout New Orleans
- They All Ask'd For You
- Running Fast -single ver.
- (Doodle Loop) The World Is A Little Bit Under The Weather
- Tric Bag
- Hang 'Em High
- Be My Lady
- Funkify Your Life
- Give It What You Can
これぞ究極のベスト盤。オリジナルアルバム8枚とアルバム未収録のJOSIE時代のシングルから全43曲をえりすぐり、30ページ近くのブックレットには貴重な写真も満載。ジャケットの4人の表情もすばらしい。オリジナルアルバムを揃えるのはちょっとと思う人も、このセットでミーターズの全容が見渡せる優れものだ。
内容はDISK 1がJOSIE時代で、(1)〜(6)が[01](ただし音が左右逆になっている)、(7)〜(14)が[02]、(15)〜(19)が[03]((15)はモノラルでやや短く、おそらくシングルヴァージョン)、残りがシングルのみのリリースだったもの。このうち(22),(23)は[12][13]に収録されているが、こちらはステレオヴァージョン。また(26)も[11]-1と同曲だが、かなり短く編集されている。おそらくこれがシングルヴァージョンなのだと思う。
DISK 1の(20),(21)は、JOSIE 1024として1970年にリリースされたもの。(20)はファンクナンバーで、明らかにスライ&ファミリー・ストーンの影響を受けたもの。ユニゾンのヴォーカルが特徴的だ。(21)はいかにもミーターズらしいインストだが、リズムの隙間が少なくなり、これも時代の影響を受けているように思える。(24),(25)はJOSIE 1029で1971年リリース。(24)は[07]で再録しているが、こちらの方がテンポが速くシンプルでプリミティヴ。ヴォーカルもコーラスで[07]よりさっぱりした感じだ。(25)はレオの曲で初めのヴォーカルはレオか?ファンクネス溢れるビートに乗ってユニゾンのコーラス突入するが、この時代になるとREPRISE時代はもう目と鼻の先という感じになる。
DISK 2はREPRISE/WORNER時代で、(1)〜(4)が[04]、(5)〜(7)が[05]((5),(6)はいずれもLPヴァージョン)、(8)〜(11)が[06]((11)はシングルヴァージョンのためか[06]よりやや短い)、(12)〜(14)が[07]、(15)〜(17)が[08]と、ほぼまんべんなく代表曲が収録されている。2000年にREPRISE/WARNERが一挙にCD化される前は、オリジナルLPを見つけられない場合、貴重な音源であった。現在もDISK 1にこのセットでしか聴けない曲があり、重要な盤だ。
[15]: FUNKY MIRACLE (CHARLY CD NEV 2) DISK 1
- Look-Ka Py Py
- 9 Till 5
- Cissy Strut
- I Need More Time
- Pungee
- Ease Back
- Cardova
- Yeah You're Right
- Tippi-Toes
- Chicken Strut
- Sassy Lady
- Little Old Money Maker
- Rigor Mortis
- Live Wire
- A Message From The Meters
- Hey! Last Time
- This Is My Last Affair
- Darling Darling Darling
- Go For Yourself
DISK 2
- Sophisticated Cissy
- Here Comes The Meters
- The Mob
- Funky Miracle
- Ride Your Pony
- Art
- Dry Spell
- Thinking
- Hand clapping Song
- Britches
- Liver Splash
- Joog
- Same Old Thing
- 6V6 LA
- Sehorns Farm
- Sing A Simple Song
- Stormy
- Ann
- Oh, Calcutta!
4人の自信に満ち溢れた顔のジャケットが印象的な2枚組ボックス。JOSIE時代のほとんどの作品を網羅しており、2000年にオリジナル盤がリイシューされるまではなかなか重宝したものだが、音質などに問題もあり、現在はすべて他のもので聴くことができる。DISK 1-(3),(6),(7),(14),DISK 2-(1),(2),(6),(14)〜(18)が[01]、DISK 1-(1),(2),(5),(8),(12),(13),(17),DISK 2-(3),(4),(7),(8),(19)が[02](ただし録音が左右逆で、DISK 2-(19)は頭の部分がやや長い)、DISK 1-(9),(10),(16),(18),(19),DISK 2-(5),(10)〜(13)が[03](ただしモノラル録音で、DISK 1-(10)は短い)、DISK 1-(4),(15)は[14](レコードから収録したらしく、ノイズが目立つ)に収録。問題はDISK 1-(11)で、ディスコグラフィによればこのタイトルはJOSIE 1031のB面だが、[02]-(13)に"Grass"のタイトルで未発表ボーナスとして収録されている。一体どうなっているのか。
[16]: LIVE ON THE QUEEN MARY (P-VINE PCD-1862)
- Gary Owens Introduces The Band
- Fire On The Bayou
- Africa
- It Ain't No Use To Cut You Loose
- I Want To Make It With You
- Medley
- a) Cissy Strut / Cardova
- b) It's Your Thing
- c) Love The One You're With
- Art Neville Adoresses The Audience
- Medley
- a) Rockin' Pneumonia And The Boogie Woogie Flu
- b) Something You Got
- c) I Know
- d) Everybody Loves A Lover
- Liar
- Mardi Gras Mambo
- Hey Pocky A-Way -encore
1975年3月24日、ポール&リンダ・マッカートニーがクウィーン・メァリー号の上で開いたヴィーナス&マース・パーティでのライヴ録音。「Uptown Rulers: the Meters Live on The Queen Mary」(RHINO R2-70376)と同内容。木版画を使った地味なジャケットだが音は熱い。
ゲイリー・オーウェンズの紹介に続いて、ブラック・インディアン・チャント風のパーカッションから(2)が始まる。録音バランスが悪く、コーラスが引っ込んでしまっているが、わき上がるグルーヴをひしひしと感じる。そのままのドライヴを引き継ぎ(3)へ。ジガブーとシリル、そして他のメンバー全員で生み出す強力なリズムが船全体を揺さぶるようだ。
マイナーのファンク(4)あたりは録音のせいもあり前半バタバタした感じだが、後半のアートのキーボードソロから大きく盛り上がっていき、ジョージのベースソロ(ベースにワウをかませてる!)で最高潮に達する。そしてクールダウンするように演奏されるのがブレッドの1970年の大ヒット曲(5)。アートはこういう歌うまいなぁ。続く(6)のメドレー、まずはJOSIE時代のお得意のナンバーを繋いだ後、アイズレー・ブラザーズの「イッツ・ユア・シング」、そしてステファン・スティルスの「ラヴ・ザ・ワン・ユア・ウィズ」と進むが、おそらく「ラヴ...」もアイズレーのヴァージョンをベースにしていると思う。この曲は後にネヴィル・ブラザーズもライヴで取り上げている。しかしシリルのマイクがオフ状態で残念!フェイドアウトで前半終了。
後半はまずアートによる愛情溢れたメンバー紹介からスタート。その後ニューオーリンズのロッキン・メドレー(8)へ。ヒューイ・スミス〜クリス・ケナー〜バーバラ・ジョージとつなぎ、ラストはシレルズのスタンダードともいうべき曲へ。ほのぼのしていていいのだが、やはりシリルのマイクが惜しい。続く(9)はスリー・ドッグ・ナイトで有名な曲だが、ミーターズのヴァージョンはよりファンキーだ。そしてニューオーリンズ・クラシックのほのぼのとした(10)、アンコールはミーターズ〜ネヴィル・ブラザーズのライヴにはなくてはならない(11)。この曲のグルーヴは他の追従を許さない。
このライヴはバンドがツアーやスタジオ・ワークに追いまくられていた時期のものだ。バンドとしての一体感は見事だが、音楽性はかなりいろいろな方向に分かれつつあるように思える。おそらくより激しい演奏を求めるレオと、ニューオーリンズ回帰を目指すネヴィル兄弟の間には、かなりの駆け引きがあったのではないだろうか。この時期のもっと状態のいいライヴがあればぜひ聴いてみたいが、見果てぬ夢というものだろうか。
[17]: KICKBACK (SUNDAZED SC 11081)
- Big Chief
- Come Together
- Hang 'Em High
- What More Can I Do
- Keep On Marching (Funky Soldier)
- Jambalaya
- Down By The River
- Honkey Tonk Woman
- He Bite Me
- Easy (Trip)
- Rock 'N' Roll Medley
- a) Rockin' Pneumonia
- b) Something You Got
- c) I Know
- d) Everybody Loves A Lover
- All I Do Every Day
- Love The One You're With
- A Mother's Love
2000年にミーターズのリイシューを積極的に進めたSUNDAZEDが、21世紀にいきなりとんでもない別テイク集を出してきた。ジガブーの愛敬のある顔が印象的なジャケットだが、中身は充実している。(4)〜(6),(9),(11)が[11]、(1),(2),(10),(12)が[12]に収録されている他は別ヴァージョンと未発表!まだあったのかと驚くばかりだ。なお、(11)-dの曲名が正しくなっている。ライナーを見るとシレルズの曲となっているが、ドリス・ディのヒットで有名な曲だそうだ。でもミーターズはシレルズのものを参考にした模様。というのは、シレルズのヴァージョンのサックスソロ、なんと(11)-cのバーバラ・ジョージのオリジナルのトランペットソロをそっくりパクっているので、絶妙な接続になっているのだ。
まずは(9)、この曲は[11]にも収録されており、クレジットを見ても別ヴァージョンの記載はないが、ミックスが違う。バックトラックやギターは同じかも知れないが、ヴォーカルや擬音の入り方が違う。ややピッチも速く、長さも長い。(3)と(8)は[07]に収録された曲の別ヴァージョン。(3)は本テイクが2分ほどと短く、ちょっともの足りない演奏であったのに対し、こちらはかなり長く、特にオルガンによるテーマがたびたび出てきて、冗長な感じもある。エンドはフェイドアウト。おそらく、普段はこの形でジャムっていたものを[07]に収録するときにコンパクトにまとめたんだろう。一方(8)は本テイクよりオーヴァードライヴしたギターのイントロで始まる。コーラスは本テイクの掛け合い的なものと違い、皆でしっかりコーラスしている。レオのギターソロはかなり弾きまくっている。こちらの方がロックした演奏。フェイドアウトせずにしっかりエンディングまでやっているので、長いテイクとなっている。
残る(7),(13),(14)が初めての「蔵出し」。まず何といっても(7)が驚きだ。ニール・ヤングの曲を、シリルが自分の歌にしてしまっている。跳ねるリズムをバックに、縦横無尽に唄っていて気持ちがいい。レオのギターもツボを押さえたソロで格好いい。何でもテイクが長すぎる(9分以上!)のでこれまで公開されなかったとか。このアルバムの目玉だ。(13)はステファン・スティルスの名曲だが、おそらくアイズレー・ブラザーズのヴァージョンにインスパイアされたんだと思う。この演奏もシリル・ネヴィルのヴォーカルが全面に出ていて、シリルのバンドっていう感じだ。この辺にミーターズ解散の理由のひとつがあるような気がする。レオあたりが「誰が主役なのか」と考えたんではないだろうか。演奏は割合シンプルで、例の特徴的なコーラスもない。この曲は後にネヴィル・ブラザーズが取り上げることになる。さらに(14)、アール・キングのバラッドをシリルが熱唱する。アートとシリルの違いは、アートの方が丁寧な節回しで唄い込んでいくのに対し、シリルは瞬発力を生かした唄い方で、こうした本来しっとりしても不思議のない曲でも、跳ねた感じになる。しかしこの曲2分間シリルの歌だけ。ミーターズの曲とはいえないと思う。これがここまで蔵から出されなかった理由だろう。
[18]: ZONY MASH (SUNDAZED SC 6211)
- Zony Mash
- I Need More Time
- The Look Of Love
- A Aessage From The Meters
- Stretch Your Rubber Band
- Soul Machine
- (The World Is A Bit Under The Weather) Doodle-Oop
- Good Old Funky Music
- Sassy Lady
- Borro
- Groovy Lady
- Funky Meters Soul [Meter Strut]
- Meter Strut [Funky Meters Soul]
2003年に出た、JOSIE時代のオリジナルアルバム3枚から漏れたシングル及び未発表曲集で、すべての音源は既出。(4),(6)が[01]、(9),(10)が[02]、(12),(13)が[03]、残りはすべて[14]に収録済み。ただし(9)は[02]では"Grass"という未発表音源ということになっていたが、こちらではJOSIE 1031でリリースとなっている。おそらく[01]が誤りだと思われる。また、このアルバムでは(12)と(13)のタイトルが逆(リストの[ ]内がアルバムに表記されたタイトルで、誤っている方)となっていたり、収録CDについてのクレジットに一部間違いがあるので注意が必要だ。しかしこのジャケット、まるで組み体操。アートでなくレオが一番上の真ん中というのは、何か意味があるのかしら?それとも単にアートの体重のせいかな?
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